「おしゃれになりたい」
モテるため、自信を持つため、あるいは漠然と「おしゃれでありたい」と考えているメンズ諸君はきっと多いことでしょう。自ら進んでダサくあろうと努めている人は、極めて”まれ”です(ここで断言することができないのは、ダサくあることで自身の主張を鮮明にするという試みを実践している人が、少数ながら存在しているからです。もっともそれも広義での”Fashion”ではあるのですが…)。
とにかく、洒落者(これは全くの余談ですが、僕は洒落者という言葉が好きです。少なくともファッショニスタという言葉よりは、正直な印象を洒落者という言葉に抱くからです。理由をうまく説明する言葉は見つからないけれど…)を目指す人のための基本的な心構えを身につけて欲しいという想いによって、本記事は作成されました。
ファッションを知ること、あるいは”ファッションすること”は、ひたすらに自分を見つめる作業です。冷徹なまでに。
ファッションについて考えるということは、少なからず苦痛が伴うものです。しかしその苦痛を耐え抜いた先に、きっと素晴らしい、新しい自分を発見できるはずです。
結果としてモテるようになった、自信を持つことができたとしても、それはあくまで副産物にすぎないということを、ここで断言しておきます。
ファッションは自己変革のツールです。決してファッションメディアの搾取を助長するために、存在するものではありません。
(ここがファッションメディアじゃなくて本当によかった。というのも、ファッションというのはその周縁的な物事から考えていくほうが、よりクリアな知見が得られるものだからです。)
目次
準備段階。まずはニュートラルな”服装”を意識すること
メンズファッションの基本知識、という言葉を聞いてまず思い浮かべるものといえば、「シンプルコーデ」や、「今期のトレンドコーデ」などといったものではないでしょうか。
そういったものに従うことはもちろん悪くないし、とにかく楽です。
しかし、「シンプルコーデ」や「今期のトレンドコーデ」といったものにも、時代が要請する”型”というものがあります。それも極めて賞味期限が短い型が
そんなことを言ってしまうと「トレンドコーデはともかくして、シンプルコーデには”型”が存在しないんじゃないか」という声が聞こえてきますが、そんなことはありません。型は確かに存在します。
例えば、「シンプルコーデをご紹介」という記事を読むとき、そこで提示されるコーデには、服装以外についての指南(髪型など)や、シルエットについてのあれこれ(例えば昨今では、少しゆるめのシルエットが吉)が言及されていることが、非常に多いです。つまりそれは、”現在におけるシンプルコーデ”に他ならないのです。
まずはこの段階から逃げ出さなければなりません。”時代を超えたコーデ”であって、”可変的なコーデ”、どの時代のフィルターをかけても”普通”な服装、ニュートラルな服装を意識することが、ファッションにおける第一段階です。
なにが言いたいのか。「借り物の個性」で満足するなということが言いたいのです。それは決して”おしゃれ”ではないのですから。
ニュートラルな服装、無地のTシャツにデニム…足元はコンバースのオールスター。50年前からあって、(おそらく)50年後も存在する格好です。
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個性って何?
個性(こせい)とは、個人や個体の持つ、それ特有の性質・特徴。特に個人のそれに関しては、パーソナリティと呼ばれる。(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より引用)
まずここで意識しておきたいことは、人間は誰しもが個性的であるということです。
しかしながら、数多くの人が、進んで類型化しようとしている事実があります。そして何より恐ろしいのが、ファッションを通して個性的であろうとする人が、”個性”という名の下に、同じような格好、同じような振る舞い、同じような趣味嗜好に収斂していく様子が、まざまざと知覚できてしまうことです。
この病理の原因は(病理なんてたいそうな言葉を使ってしまいましたが、それほどの問題です)、自分なりの美意識(スタイル)を構築できないところにあります。また、並行して自分らしさに自信を持てずにいるからです。
なぜ美意識(スタイル)を構築できないのか…。答えは非常に単純です。過去のメディアを参考にせずに、今あるものだけを参考にしているからです。メディアを能動的に活用する、編集する能力が、あまりにも欠けているからです。
過去から学びとることができない人は、紋切り型の個性しか手に入れることができません。そしてそれは厳密にいえば”個性”ではないのです。
個性とは、個人の先天的な資質と、外部からの情報を編集する能力を掛け合わせたもののことです。
ニュートラルのその先へ
ニュートラルな服装は可変的な服装だということについては先に述べたとおり。本項目ではこの点について掘り下げていきます。
無地のTシャツにデニム、コンバースのオールスター(ここは別にアディダスの『スタンスミス』やナイキの『エアフォースワン』でも構いません、秋冬であればパラブーツの『シャンボード』やチャーチの『シャノン』などの革靴でもいいでしょう)。誰も突っ込めない、”無難”な格好。プラスの言い方をすれば、トラディショナルな格好。
そんな無難な格好の何よりの長所は、「内面的な美意識を反映させやすい点」にあります。
ニュートラルな服装を土台にして、自らの美意識を積み上げていくわけです。現在や過去のファッションの流れを取り込み、編集し、アウトプットする。
真に個性的になりたければ、上質なインスピレーション源、人と違うもの、過去と現在を横断し、自らの中に取り入れる能力は不可欠です。
どんなものを吸収すればいい?
そもそもの話「上質なインスピレーション源」とはなんぞや?という人も大勢いることかと思われます。先にいってしまえば、上質なインスピレーション源とは、「過去のアート作品」のことです。時の試練に耐え、今も古典として受け継がれている映画や文学作品、当時のファッション事情はこのようなものであったということをコンパクトに示してくれる古いカルチャー雑誌、云々。
映画や文学作品(とりわけ小説)などは、男女間の精神の機微を鮮やかに描いた名作も数多く存在するので、モテの勉強という観点から見ても、とても有効です。
また、YouTubeなどで昔のミュージックビデオを鑑賞するのも、センスを養う上で効果てきめんです。ネット時代の恩恵ですね。
過去のあらゆる作品をを知ることは、現在を知る上でも極めて役立ちます。変な言い方ですが、アートは時代性を失ってから真価を発揮するものだと、個人的には考えています。
具体例。僕はこんなものに影響を受けてきた
ここで一旦、個人的に影響を受けたものをいくつか紹介していきます。改めていうまでもないことですが、僕はスタイリストでも著名なファッションエディターでもファッションモデルでもありません。
しかし、色々なものに触れようと努め、服なくともファッションについてある程度真剣に考えたことがある者ですので、それなりの参考にはなるんじゃないのかなと自負しています。ウェブメディアという媒体の特性上、主にビジュアル的なものを取り上げていきます。
その① 映画篇
ここでは、主に「ファッション面(あるいは映像美)」において僕が影響を受けた作品を紹介していきます。そのため、各作品のあらすじは割愛させていただきます。
・『ディーバ』 (1981)
ジャン=ジャック・ベネックス監督による作品『ディーバ』。どんな格好に影響を受けたの?と聞かれても答えづらいところがありますが、本作のSFチックな世界観と色彩美は(どこかで)僕に強い影響を与えました。
・『パーマネント・バケーション』(1980)
ジム・ジャームッシュ監督の処女作である『パーマネント・バケーション』。作中を支配する独特の気だるい雰囲気と、主人公のジャケットの着こなし方に思わずノックアウトしてしまいましたね。
・『暗殺のオペラ』(1970)
ベルナルド・ベルトルッチ監督の傑作『暗殺のオペラ』。思わず眼を見張るようなカットの連続、かつ美しくも不穏な雰囲気漂う一本。主人公の父親のベージュのサファリジャケットに赤いバンダナスカーフというファッションに、やられましたね。
・『北の橋』(1981)
ジャック・リヴェット監督による怪作『北の橋』。主人公のライダースジャケットの着方に半端じゃなく影響を受けてしまいました。ちなみに内容は本当にシュールな代物ですが、個人的には好きです。
その② ミュージックビデオ篇
ミュージックビデオも、ファッションセンスを養う上で相当使えるツール。ネット上で様々なアーティストの映像が見られる現在。活用しない手がありません。
・Beastie Boys『Shake Your Rump』(1989)
アメリカが世界に誇るヒップホップトリオ「ビースティ・ボーイズ」。革新的な音楽性はもちろん、洗練されたファッションセンスにおいても注目されました。
この『Shake Your Rump』は、とにかく全てにおいて格好いい。横ノリな服装も、おどけた振る舞いも、全てにおいて(個人的には)高水準。これほどスタンスミスを格好良く履きこなす人もいないでしょう。
・Suede『The Drowners』(1992)
1990年代のUKロックシーンを塗り替えた伝説のロックバンド「スウェード」。彼らの特徴は、ビジュアル面に限定していえば、「ナルシズム」をひとつの美的尺度にまで高めた点でしょう。
そんな彼らのデビュー曲であるこちら。ファッション的な観点でいえば、ブラックデニムの履きこなし方、シャツのボタンの絶妙な開き具合…などなど、全てにおいて”計算し尽くされた適当さ”がポイント。
無意識を意識するという矛盾した試みが、ファッションを考える上では大切なのです。
・Hanoi Rocks『Lightning Bar Blues』(1982)
フィンランド出身のグラムロックバンド「ハノイロックス」。奇抜な出で立ちとキャッチーな音楽性で瞬く間に人気を博し、本格的な全米デビューを控えていた矢先、メンバーのうちのひとりが不慮の事故によって帰らぬ人に。本格的な世界進出は果たせなかったものの、更新のバンドに与えた影響には計り知れないものがあります。
ちなみにこちらの『Lightning Bar Blues』は、彼らのオリジナル曲ではなく、カバー曲。ファッションに注目してみると、セットアップにレオパード柄のスカーフ。ブラックスキニーにウエスタンシャツと、かなり自由な組み合わせが目立つ服装。
「こんな着こなしもアリなんだな」と感じさせてくれます。そして、どことなくエディ・スリマン(ディオールやサンローラン、現在はセリーヌのクリエイティブディレクターを務めている、モード界において今世紀もっとも重要なひとり)が提案するルックに酷似しているようにも思えます。僕は断言します。間違いなく彼はこのスタイルに影響を受けている。
その③ ファッションマガジン篇
流行のサイクルは恐ろしいほど早く循環するということは、皆さんも肌で実感しているはず。特に雑誌は、一定の期間を過ぎると効力を失うかのごとく、みるみる色褪せていくものだと思われています。3,4年前の雑誌を折に触れて読み返す…なんて人は稀でしょう。
しかし、先に述べたように、「アートは時代性を失ってから真価を発揮するもの」です。
過去にどのようなファッションシーンが形成されていたかを知り、そこから何かを学び取る貪欲さを持つ人にとっては、古い雑誌は豊かな鉱脈へと姿を変えて立ち現れるのです。それに、古本屋やオークションサイトなどで、比較的安く購入もできますしね…。
・『STUDIO VOICE』
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1976年創刊のカルチャー雑誌、『STUDIO VOICE』。2009年に一度休刊したものの、2015年に年2回刊行として復刊しました。
ここでぜひ皆さんに手に取って読んで欲しいのは、とりわけ90年代に刊行されたもの。ネットが普及する以前のカルチャー雑誌は、とにかく情報の密度が半端じゃないです。インタビューにコラム、前衛芸術家たちのビジュアルアートなどが一堂に会する恐ろしい雑誌。ぜひその目で確かめてみてください。
・『STREET』
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記録家・青木正一氏によって1985年に刊行されたファッション雑誌。日本人によるストリートスナップの先駆けであり、様々なファッションメディアに影響を与えました。
説明文や添え文句はなしか、あってもアイテム表記だけという非常にストイックな雑誌。その時代の”イケてる”人たちを自由な感性で撮影しているので、過去のアーカイブを見てもさほど古さを感じさせず、むしろある種の新しささえ覚えてしまいます。
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最後にもう一度。”ファッションは自己変革である”
これまで述べたことのまとめとして、「一旦自分の服装をニュートラルな状態にしておき」、「そこから様々なものに触れ」、「自らの個性と呼べるものを獲得する」という流れがあります。
しかしながら、物事を知っていくにつれて、逆にファッションに関して”何がよくて、何が悪いのか”ということがわからなくなっていくはずです。
それでいいんです。常に自分の感性に対して批判を入れていく構え、つまり、”間断なき自己変革”が、ファッションを”する”上では重要ですから。
自らの嗜好というのは絶えず変わっていくものですが、美意識だけは自分を裏切らず、心の奥底に溜まっていき、磨かれていくものですから。