管理栄養士解説|筋トレ者の塩分摂取、レシピ情報、塩抜きはNG?

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鳥ちゃん

はじめまして、大阪在住の鳥ちゃんと申します。プロフィールをご覧いただきありがとうございます。ライター歴3年。文筆歴は構成台本、芝居脚本、コント台本、漫才台本。管理栄養士。趣味は掃除、洗濯、料理, ラジオ。尊敬している有名人「蛭子能収」「きたろう」。好きな漫画は山崎さやか著「マイナス」。好きな映画「ラースと、その彼女」「死ぬほどセックスしてみたかった」。好きな小説はヘルマンヘッセ「婚約」

筋トレをする人にとって、トレーニングメニューと同じくらい気になるのが栄養バランス。

栄養素について専門的な知識がないと「塩分を摂りすぎていないかな…?」と不安になるかもしれません。

管理栄養士が、トレーニーに向けて正しい塩分摂取方法を解説。

水抜き、塩抜きの是非についても説明します。

一日の塩分適正摂取量は?

トレーニーの大半は、タンパク質やビタミン、ミネラルの摂取に気をつかっているかのではないでしょうか。つい「良質のものをバランスよく食べればよいのだ!」と栄養素を取り込むことばかりを考えがち。

特に注意しなければならないのが塩分の摂取量です。塩分とは食塩相当量のことをいいます。日本人の食事摂取基準(2020年度版)の食塩相当量・目標量は男性が1日当たり7.5g、女性が6.5gに2015年度版に比べて引き下げられました。

1日にどれぐらい塩分を摂取しているかというと平成30年(2018年)国民栄養・健康調査によれば男性11.0g、女性9.3g。調査の数値を見てもわかるとおり男女とも目標量を超えているのです。それだけ塩分摂取量の自己管理は困難。ちなみに味噌汁1杯の塩分量は約1.2g、カップラーメン1杯で5~6gです。

普段、誰でも摂取している食べものの塩分量を聞くと不安になりませんか?上記の目標量は健康な人に向けての値。高血圧の方の目安は6g未満、腎臓病患者の方の目安は3~6g未満と厳しい制限がかかってきます。健康を保てているときから塩分の摂取量に気を付けるにこしたことはありません。

【日本人の食事摂取基準(2020年度版)1日当たりのナトリウム(食塩相当量)・目標量】
・男性 7.5g
・女性 6.5g

塩分を摂取するメリット

塩分はいわゆる食塩(塩化ナトリウム)のことです。食塩は体内でナトリウムイオンと塩化物イオンに分かれて存在してます。下記の項目では塩分がどのように体内で活動し、どんなメリットがあるかを詳しく解説

塩分は生命維持に重要な役割を担っています。知っておいて損のない内容なので、ぜひ読んでください。

①筋肉の動き

筋肉の収縮は体内にあるナトリウムイオンとカリウムイオンの電位変化によって起こります。体中の細胞は「細胞外液」で囲まれており、ナトリウムイオンを豊富に含有。

一方で細胞内は「細胞内液」で満たされており、カリウムイオンが豊富に含んでいます。筋収取は細胞内外のナトリウムイオンとカリウムイオンの濃度変化で電位が生じて起こるのです。

塩分を摂取することは、筋肉を収縮する環境を整えているといえるでしょう。

運動の際、たくさん汗をかいたときに塩分補給をしなければなりません。汗と一緒にナトリウムイオンが体外に排出されてしまうからです。塩分は筋収縮に重要です。

②細胞の動きを保っている

塩分摂取は細胞が正常に働けるかどうか関わります。上記にも書かれているとおり、細胞は「細胞内液」と「細胞外液」の2つでミネラルバランスを保っています。

細胞を正常に保つ栄養素の出し入れは、ナトリウムとカリウムのイオン濃度勾配を利用。塩分を摂取することで細胞が正常に働ける環境を整えているのです。

※細胞内外にはナトリウムイオンとカリウムイオンの他に、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、塩化物イオンが存在。細胞内外の液の多くはナトリウムイオンとカリウムイオンです。他のイオンと一緒に絶妙なバランスを保つことで細胞の働きを調節しています。

③栄養素を吸収に関わっている

ナトリウムイオンは、小腸での栄養素の吸収に関与。水分や栄養素はナトリウムイオンの濃度勾配を利用して吸収。塩分摂取は、栄養素の輸送に必要なのです。

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塩分を摂取するデメリット

塩分の摂取量を意識するようになるきっかけといえば「健康診断」。健康診断で高血圧と診断されてはじめて「塩分を摂りすぎているのかな?」と思う方がほとんど。

健康に気を使い出すのは、40歳を越えた働き盛りの時期かもしれません。長年の食生活を急に管理しようとしてもできないのは当たり前。仕事が忙しい人が非常に多いからです。

その結果、50歳、60歳を迎えたタイミングで塩分制限に試みようとしがち。しかし、濃い味に慣れた方々が薄味に挑戦するのは困難。さらに高齢者になれば味覚が落ちて、さらに味の濃いものを求める傾向があります。加齢を感じる前から、塩分の摂取について意識しておいた方がいいのがわかりますね。

下記には塩分を摂取するデメリットを詳しく解説しています。年齢を重ねてからでも遅くないので、ぜひ塩分が身体に与えるデメリットを知ってください。

①むくむ(浮腫)

塩分を過剰摂取すると、なぜ身体がむくむのでしょう。ナトリウムイオンが大量に増えたのを薄めるようと、身体がたくさん水分を溜め込もうとするのがその理由。

濃度を薄めようとするのは、血液の浸透圧を保とうとするメカニズムが身体に備わっているため。浸透圧とは濃度を一定に保とうとすること。

濃度を保たなければならないのは、濃度差を利用して栄養素を出し入れするから。濃度を一定に保っていることで、必要のないときに栄養素が細胞に勝手な出入りを防止できます。

「最近、身体がむくみやすくなった……」と感じる人は、塩分の過剰摂取やミネラルバランスが保たれていない可能性があります。

②血圧があがる

塩分を過剰摂取すると、上記にも掲載したとおりナトリウムイオンの濃度を薄めるために身体に水分を溜め込みます。血液量が増大するために末梢血管にかかる圧力が上がるのです。その結果、血圧が高くなりがちに。

高血圧は不整脈や心疾患の原因になるので、気をつけなければなりません。高血圧の方が少なくないのは自覚症状が少ないからかも?

③腎臓に負担がかかる

腎臓は血液を濾過して不要なものを尿として排泄しています。また、腎臓は必要な栄養素を吸収する作用もあるのです。塩分の過剰摂取が起こったとき、腎臓は余分な塩分を排出するよう働きます。

過剰な塩分を摂取し続けると、腎臓に大きな負担がかかり働きが悪化。その結果、血液量が増して血圧が上がったり、尿がでなくなって尿毒症という病気に罹ってしまいます。

腎臓は非常に重要な臓器。尿の生成や血圧調整の他に、「体水分量の調整」や「ホルモンを作る」役割をはたしています。

夏場に多い熱中症と塩分摂取との関係

昨今、夏場に熱中症で救急搬送されるニュースがよく流れます。熱中症になるのは高齢者や子どもだけではありません。

誰にでも熱中症になるリスクが存在。地球温暖化の影響もあり、日本の環境が毎年変化しつつあります。

夏場に熱中症対策としてよくとられているのが水分補給。しかし、水分補給といってもただ水を摂取だけではいけません。汗から排出されたナトリウムといったミネラルの補給が重要となってきます。

水分補給でよく用いられるのがスポーツドリンク。ナトリウムやカリウムといった電解質がバランスよく補給できるからです。ただ、注意も必要。

スポーツドリンクは糖分が豊富に含まれており、過剰摂取すると急激な血糖値の上昇を招きます。その結果、喉の渇きを感じて余計にスポーツドリンクを飲み過ぎ「ソフトドリンクケトーシス」に至るケースも。ソフトドリンクケトーシスは別名「ペットボトル症候群」と呼ばれ、急性糖尿病の症状が出てしまうのです。夏場の熱中症対策として塩分摂取は大切ですが、ペットボトル症候群にならないよう糖分のないものや含有量の少ないものを選んでくださいね。

スポーツドリンクを摂取する場合は水で薄めたりして、急激な血糖値上昇の防止を心がけましょう。一気にスポーツドリンクを飲まず、1時間に3~4回に分けて摂取するのが正解。

熱中症になってからでは、すでに遅しという状況も少なくありません。だからこそ熱中症になる前に、こまめな水分摂取が必要なのです。

ボディビルダーの塩抜きは塩分過多より体に悪い!?

ボディビルダーの中には筋肉のカットを綺麗に見せるために、塩抜きや水抜きをする方がおられます。一般の方に塩抜きや水抜きは健康面から考えても推奨しにくいのが実情

ボディビルダーでさえ、塩抜き、水抜きをする際に「めまい」などを起こしています。トレーニーなら腹筋を割りたいと思う人は少なくありません。だからといって正しい知識のない状態で、塩抜き、水抜きをするのは大変危険。失神はもちろん、腎臓不全、体水分量を20%以上失うと死亡することすらあります。

上記の熱中症の項目でも書きましたが、人間は脱水症状になる前にこまめな水分補給が必要。塩分摂取は多すぎても過剰摂取になりますし、少なすぎても体調を崩してしまう難しいもの。塩抜きは、素人が思い付きでやるものではありません。

「塩抜きの手順をちゃんと知っている」という方もいますが、その手順はネットや書籍で知った知識でしょう。もし塩抜きをするならば、人体や栄養に関する専門的な知識が必須となります。それほど塩抜きがリスキーであると、認識しておきましょう。

トレーニー向け塩分補給レシピ

下記にはトレーニー向けの塩分補給レシピをご紹介。毎日の一品に付け加えられるものから、作り置きできるものを掲載しているので便利です。

ぜひ、この機会にお試しください。トレーニングをされている方はもちろん夏場の熱中症対策としてもオススメです

①きゅうりの浅漬け

 

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【材料】
・きゅうり 1本
・塩 小さじ1/2~1
・顆粒だしの素 小さじ1

【レシピ】
①きゅうりに塩を振り、まな板の上で板ずりをする。板ずりをしたら6mm程度に斜め切りする。
②ジップロックやタッパー、ビニール袋に①と顆粒だしの素を入れよく振ったり揉みこむ。
③②を冷蔵庫で30分以上冷やしたら完成。

※②の項目のところで、砂糖やゴマ油などを入れてオリジナルレシピを作るのも良し。

②プチトマトの塩漬け

 

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【材料】一人前
・プチトマト 10個
・塩 大さじ1
・水 200cc~250cc

【レシピ】
①プチトマトのヘタを取ってから水でよく洗う。爪楊枝や千枚通しで皮に3~4箇所穴を開ける。
②タッパーなどに水を入れよく塩を溶かす。①を入れ冷蔵庫で3時間冷やして完成。

※冷やしたあと、水で洗っても良し。その場合は洗ったあと水気を切るのを忘れないように。

③煮卵

 

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【材料】
・卵 2個
・しょうゆ 小さじ4
・みりん 小さじ4
・砂糖 小さじ1

【レシピ】
①冷蔵庫からあらかじめ出しておいた卵を沸騰したお湯に入れ、茹で卵を作る。(半熟がお好みなら沸騰してから7分程度)
②①を茹でている間に、しょうゆ、みりん、砂糖を鍋で煮込んでタレを作り、粗熱を取る。
③茹で卵の殻を剥きジップロックに入れる。②で作ったタレを入れ空気を抜く。冷蔵庫で1日おいて完成。

まとめ

最後に、筋トレをする人で塩分を摂取する際に重要なポイントをおさらいします。

・1日の塩分適正摂取量を知り、過剰摂取にならないようにする。
・塩分は多すぎても駄目だが、塩抜きはもっとオススメできない。
・熱中症対策の意味でも、こまめに塩分補給を含めた水分補給をする。
・ボディビルダーがやるような塩分制限、水分制限はしないようにする。

筋トレをしている方の多くは「腹筋を割りたい」と考えるもの。腹筋を割るためにプロがやっている、塩抜きや水抜きをやらなければならないと思うかもしれません。

おそらくSNSなどで腹筋の割れた写真やテレビなどの映像の影響でしょう。しかし、腹筋の割れた写真や映像は、その人の一瞬しか切り取っていません。

つまり綺麗な筋肉をずっと持続しているわけではなく、一時的に仕上げている可能性が高いのです。

筋トレをしている方はまず健康が第一であることを忘れてはいけません。塩分摂取は生命維持に直結するので気をつけましょう。