「筋トレをするならタバコを吸うべきじゃない?」「タバコって筋肉に影響するの?」
タバコは依存性の高い嗜好品です。筋トレやスポーツをしている人の中にも、身体に良くないと分かっていながらも、なかなか止められず悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
そこで当記事では今回、筋トレやスポーツ選手がタバコを吸うべきではない理由をご紹介します。
タバコは百害あって一利なし
タバコが身体に悪いことは周知の時事ですよね。喫煙者の死亡率は、タバコを吸わない人よりも高いことが知られています。特に未成年からタバコを吸い始めると、10年前後寿命を縮めると言われているのです。
未成年でたばこを吸い始めて禁煙しなかった人の寿命は、たばこを吸わない人より8~10年縮まる可能性があることが21日、放射線影響研究所(放影研、広島市南区)と英オックスフォード大の研究で分かった。35歳までに禁煙すると死亡リスクが低くなるとの結果も出た。
(中略)
20歳までに喫煙を始めた男性(1920~45年生まれ)のうち70歳まで生きたのは72%だった。これを吸わない男性の集団に当てはめると、72%の人が78歳まで生きたという。女性の場合、寿命の差はさらに広がり10年だった。
喫煙による身体の害で最も有名なのが肺ガン。しかし、実は喫煙をすることで、肺以外にも身体のあらゆる部位でガン発症のリスクが高まるということが研究により判明しています。さらに、脳卒中や呼吸器系の疾患、糖尿病など、様々な病気の原因となるんです。
出所:喫煙とがん全体の発生率との関係について | 国立研究開発法人 国立がん研究センター
喫煙をすることで寿命が縮んでしまいますが、30~40代で禁煙すれば寿命を取り戻せるともいわれています。50歳以降に禁煙しても、5年前後寿命を伸ばせるかもしれないという研究もあります。
長い人生を健康に過ごすためにも、早い段階で禁煙しましょう。
受動喫煙は他人の寿命も縮める
喫煙者が嫌われる理由の一つが「受動喫煙」です。喫煙者と一緒にいることで、タバコの煙(副流煙)を強制的に吸うことになります。すると、タバコを吸っていないのに、喫煙者と同じ程度の健康被害を受けることになるのです。
タバコには御存知の通り、発ガン性物質が数多く含まれています。普段タバコを吸わない人でも、受動喫煙によって身体は大きな害を受けます。
タバコは筋肉にも悪影響を及ぼす
タバコに含まれている3大有害物質「ニコチン」「タール」「一酸化炭素」は、筋トレの効果も低減させてしまいます。せっかく苦しい思いをして筋トレを行っても、タバコを吸うことで無駄になってしまうんです。
特にタバコを吸わないトレーニーは被害甚大。自分の意思でタバコを吸っているわけではないのに、健康と筋肉に悪影響を受けることに…。喫煙者と副流煙は迷惑以外の何物でもありません。
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タバコが筋肉に及ぼす5つの悪影響
タバコが身体にとって悪影響なのは周知の事実。では、筋肉や筋トレに、タバコはどのような悪影響を及ぼすのか、気になりますよね。
タバコが筋肉や運動能力に与える悪影響と、トレーニやスポーツ選手が禁煙すべき理由には以下のようなものがあります。
- 筋力が低下する
- 超回復力が低下し筋肉が付きづらくなる
- 呼吸器系の機能が低下するため筋トレで追い込めなくなる
- 酸素欠乏症に陥りやすくなることで心臓に負担がかかる
- ニコチンが切れることでイライラし集中力が続かなくなる
1.筋力が低下する
タバコに含まれる「ニコチン」の影響で、筋力や瞬発力が低下するといわれています。ニコチンはタバコに依存させる作用のある物質。
血管を収縮させることで血流を悪くします。さらに、ニコチンには脳や神経を興奮させる作用があります。
喫煙し続けると神経が刺激に慣れてしまい、タバコなしでは興奮しづらくなるといわれています。結果、筋力や瞬発力が低下するというデータもあります。
参考:アスリートの喫煙「百害あって一利なし」 日本禁煙科学会シンポジウム
2.超回復力が低下し筋肉が付きづらくなる
筋トレをすることで筋肉は傷つきます。損傷した筋肉はタンパク質や炭水化物を補給し、十分に休ませることで、筋肉が太く強くなる「超回復」が起こります。
超回復は筋トレをしている多くのトレーニーの目的。しかし、タバコを吸うことで代謝も低下してしまいます。
超回復しづらいということは、筋肉がつきづらいということ。さらに、切り傷や擦り傷、骨折といった怪我の回復力も低下させてしまいます。
参考:喫煙と代謝および肥満 | 公益財団法人 喫煙科学研究財団
3.呼吸器系の機能が低下するため筋トレで追い込めなくなる
タバコに含まれている「一酸化炭素」は、酸素を全身に運ぶ役割を持つ「ヘモグロビン」や「ミオグロビン」と結びつきます。
結果、1分間に体重1kgに対して取り込める酸素の量を示す「最大酸素摂取量」が低下。つまり、酸素不足を招いてしまい、スタミナがなくなるんです。
筋トレで自分を限界まで追い込むことで筋肥大は可能。しかし、スタミナがなくなることでハードなトレーニングができなくなり、最後まで追い込むことが困難になるでしょう。
4.酸素欠乏症に陥りやすくなることで心臓に負担がかかる
タバコを吸うことで酸素欠乏症になると、超回復をするために必要な新陳代謝の低下やスタミナの減少を引き起こします。さらに、血管の縮小や心拍数が高くなり、心臓に掛かる負担も増加するためかなり危険です。
5.ニコチンが切れることでイライラし集中力が続かなくなる
タバコの恐ろしい点は、吸い続けることで肺がんや脳卒中など、様々な病気にかかること。ですが、それ以上に、病気になると分かっていても止めることができない依存性ではないでしょうか。
タバコを吸うとニコチンの作用でドーパミンが放出。頭がスッキリとしたり、リラックスの効果が期待できます。しかし、時間が経つとニコチンが切れてイライラし、集中力も切れてしまいます。
イライラしながら筋トレをしていても、集中できないため効率的に鍛えることができません。また、早くタバコが吸いたいからと、でたらめなフォームで筋トレをする恐れも…。効果が得られないばかりでなく、ダンベルを落とすなど怪我をするリスクが高まります。
タバコを止めるためのコツ
筋肉に悪いからといって、禁煙するのはなかなか難しいもの。そこで、禁煙するためのコツをご紹介します。
タバコの依存症は、禁煙を開始して2~3日目に禁断症状が現れます。その後は10~14日まで症状が継続。禁断症状には以下のような種類があります。
- 無性にタバコが吸いたくなる
- 強い眠気に襲われる
- イライラして集中できない
- 頭痛がする
- 一日中だるさを感じる
禁煙開始直後は無性にタバコが吸いたくなるもの。そこで、タバコを吸いたくなったら別のことで気を紛らわせましょう。
例えば水を飲む、身体を動かす、深呼吸をする、鎮痛剤を飲むなど。特に運動は、禁煙後の体重増加を予防する効果も期待できます。
「どうしてもひとりではタバコがやめられない」という人は、禁煙外来を受診し、医者の手を借りるなど専門家に相談するのがベストでしょう。
禁煙すると太ってしまう理由
禁煙を経験した人から「タバコをやめたら体重が増えた…」という話を聞いたことはありませんか?
実際、禁煙をすると体重は増加します。禁煙を決意したものの、太るのを嫌がって結局タバコを吸い出す人もいるんだとか。
しかし、体重が増えるといっても2~3kg程度。しばらくすると体重の増加は止まり、徐々に減っていきます。
太りやすくなるのは身体が健康になっている証拠
禁煙をすると太りやすくなる理由は以下の通り。
- ニコチンには抗肥満効果があり、禁煙で効果がなくなるため
- 味覚が正常化し、美味しく食事が取れるようになるため
- 胃の調子が良くなり、栄養をスムーズに吸収できるようになるため
- ニコチン切れによるストレスを食にもとめてしまうため
「口さみしい」という理由で頻繁に間食をしているのなら、無駄なカロリーを摂りすぎています。しかし、食べ物が美味しく感じているのは、身体が徐々に正常化し、健康になっている証拠です。
禁煙太りを防ぐ対処法
禁煙が原因で太る「禁煙太り」を防ぐために、低カロリーでバランスの取れた食事を心懸けるといいでしょう。
特に野菜にはコレステロールの減少や、精神面を落ち着かせる効果も期待できます。カロリーも低いため、食べ続けても太りづらいのもメリット。
カロリーの高いお菓子やジュースはNG。食べやすく手元にも置いておきやすいことから、口が寂しくなると食べたくなりますよね。しかし、お菓子やジュースのカロリーは想像以上に高いですので、控えましょう。
そして、最も重要なのが運動をすること。筋トレなどで身体を動かすことで、無駄なエネルギーを消費。脂肪を燃焼させることでスタイルの維持にも繋がります。さらに、ストレス解消の効果も期待できるんです。
筋トレやスポーツをするならタバコは止めるべき!
タバコは健康に被害を与えるだけで、身体に良いことは全くありません。特にトレーニーやスポーツ選手にとっては最悪。筋肉をつきづらくし筋力なども低下してしまいます。
中には「喫煙するとストレスの解消になる」という人もいるでしょう。「喫煙=ストレス解消」という考えは間違い。ニコチンが切れることでストレスを感じているだけ。
健康的に理想の身体を手に入れるためにも、タバコは吸わないことをおすすめします。