基礎代謝量を上げるにはトレーニングによる筋肥大が必要。トレーニーは筋肥大のパフォーマンスを考える上で、食べ物やドリンクなど摂取するものの影響も考慮すべき。
基礎代謝量の向上を目指す方は、「何でも適当に摂取しておけばよい」というわけではありません。筋肥大に関与する栄養素はもちろん、基礎代謝に直接働きかけるものを優先して摂取することが求められます。
筋肉の材料になる食べ物にこだわることは、筋肥大のパフォーマンスを上げることにつながるでしょう。
今回の記事は、特にこれまで筋肉の材料となる「タンパク質」だけにしか着目してこなかった方に推奨される内容になっています。この機会にぜひ、筋肥大に関わる栄養素がたくさんあることを知ってもらえると嬉しいです。
太るのは基礎代謝に原因あり!?
ダイエットをしたことがある方なら 「基礎代謝量が低下すると痩せにくくなる」と一度はどこかで聞いたことがあるでしょう。基礎代謝量とは生命活動を維持するために必要な最低限のエネルギー消費量こと。
生命活動を維持とは、呼吸や血液循環、体温の維持といったものをイメージしてください。基礎代謝量は身体的にも精神的にも安定した状態で消費してしまうような「じっとしていても消費される1日の活動エネルギー量」のことです。
基礎代謝量は筋肉量に比例します。筋肉が少なければそれだけ基礎代謝量が低いと考えてよいでしょう。基礎代謝量は、基本的に女性より男性のほうが高いのもこのため。そして人間は年齢を重ねるごとに筋肉量が落ち、基礎代謝量というのは自然と下がっていくものです。
若いころより年をとってダイエットしたときに「痩せにくく」感じるのもこのため。「太る原因が基礎代謝量に原因がある」「若いころより太りやすくなった」と世間で噂されるのは、あながち間違ってはいないということです。
ちなみに人間の1日のエネルギー消費量は「基礎代謝量、食事誘発性熱産生、活動代謝量」の3つの合計のことをいいます。食事誘発性熱産生とは食事を摂取し体内で栄養素が分解される際に発生する「消化吸収をするときに消費されるエネルギー」のこと。だから食事発生熱産量は「食事の摂取量」によって変わってきます。
一方、基礎代謝量は体格に依存するのです。下記の表には各年齢別、参照体重による基礎代謝量を掲載しています。出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)
【参照体重による基礎代謝量『日本人の食事摂取基準(2020年版)』】
『男性』
・15~17歳(59.7kg) 1610kcal
・18~29歳(64.5kg) 1530kcal
・30~49歳(68.1kg) 1530kcal
・50~64歳(68.0kg) 1480kcal
・65~74歳(65.0kg) 1400kcal
・75歳以上(59.6kg) 1280kcal
『女性』
・15~17歳(51.9kg) 1310kcal
・18~29歳(50.3kg) 1110kcal
・30~49歳(53.0kg) 1160kcal
・50~64歳(53.8kg) 1110kcal
・65~74歳(52.1kg) 1080kcal
・75歳以上(48.8kg) 1010kcal
上記の表から見ても基礎代謝量が高い方が「太りにくい身体」であり「年を取っていくと下がっていくもの」だといえます。余談ですが、活動代謝量とは日常生活の活動や運動、姿勢の保持などによる消費エネルギーのことです。
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基礎代謝を上げる方法4選
基礎代謝量を上げれば太りにくい身体づくりになることはわかったでしょうか?基礎代謝量が増えれば消費エネルギーが自然と増加するからです。この項目では、基礎代謝量を上げる方法をご紹介。
人間はなにもしなければ、年を重ねるたびに筋肉量は落ちていきます。健康維持のためにも早いうちから基礎代謝量を上げていきましょう。
ちなみに、基礎代謝量に男女差があるのは筋肉量によるものが多いです。男性が比較的筋肉量が多いのも、男性ホルモンのほうが身体に筋肉がつきやすいからでしょう。
①筋トレ
基礎代謝量を上げる定番といえば「筋トレ」。筋肉を増やすことは、シンプルに基礎代謝量を上げる方法です。私たちの身体は生命維持のために筋肉以外にもエネルギーを消費していますが、筋肉はトレーニングをすることで鍛えることができます。
基礎代謝量が上がるのは、トータルで1日の消費エネルギー量を増大させることができるというわけ。
「筋トレ以外の運動はだめなの?」と思うかもしれませんが、そんなことありません。例えばヨガであれば、腹式呼吸を大切にしているので体幹を鍛えることができ、結果基礎代謝量を向上させます。
ウォーキングといった比較的軽い運動でも血流をよくし、筋肉の動きが改善され基礎代謝量をアップさせることができるでしょう。運動前に行うストレッチでも血行をよくし基礎代謝量を増大させます。
いわゆるトレーニングで基礎代謝量を上げることは、自分に合ったものを選ぶことが大切。筋肉増大は、反復作業でもあるので継続できるものから始めることが推奨されます。
②水分摂取
基礎代謝量を上げる方法として「水分摂取」も推奨されます。水分補給で基礎代謝を上がる仕組みは、水分で血流がよくなるからです。また、エネルギー消費量をあげる上で筋トレをする場合であれば、尚更水分摂取には気をつけましょう。
汗から出た水分やミネラルなどの補給の意味で水分摂取は重要。こまめな水分補給は熱中症の予防になります。
「水分ならなんでもよいか?」というわけではありません。氷で冷え切ったような飲み物は逆に血管を収縮させてしまいます。水分摂取の際にお白湯といった温かい飲みものが推奨されるのはそのためです
。1日の水分補給量は1.5~2リットルを目安に摂りましょう。腎臓や心臓などの治療中の方は、水分摂取に関して主治医の指示に従ってください。
水分摂取の際にもう一つ注意してほしいのが「カフェインとアルコール」。利尿作用がある成分が含有されているコーヒーやお酒は利尿作用があります。カフェインやアルコールがたくさん含有されたものを過剰摂取した場合、逆に脱水症状になる可能性も!
③腸内環境を整える
基礎代謝量を上げる方法で「腸内環境を整える」というのがあります。腸内環境が乱れることで便秘や免疫力、基礎代謝量の低下につながるのです。腸内環境を整える方法として発酵食品であるヨーグルトや納豆、キムチなどの摂取が推奨されます。
また、腸内環境を整える上で食物繊維の豊富なほうれん草やサツマイモ、ブロッコリー、ニンジンといった野菜の摂取もオススメ。
腸は栄養を吸収する一番大切な部分です。腸は免疫力に関わる部分でもあるので、基礎代謝量の向上だけでなく、そもそもの健康の維持として重要なポイントといえます。
④自律神経を整える
基礎代謝量を上げる方法として「自律神経を整える」というのがあります。例えば入浴や岩盤浴は身体を外側から温めることで体温の上昇やリラックスの効果が期待できるのです。リラックスすることで副交感神経が刺激され、自律神経を整えられるという仕組み。
入浴で基礎代謝の向上をはかる場合はシャワーだけでなく、湯船に浸かって身体の芯から温めることが推奨されます。
コンビニで購入可能な基礎代謝UPにつながるドリンク3選
下記にはコンビニで購入できる基礎代謝量の向上が期待できるドリンクをご紹介。なぜ基礎代謝量が上がるかもドリンクごとに詳しく解説しているの、ぜひ参考にしてください。
基礎代謝量は日々のトレーニングや食生活と密接な関係があります。日常的に続けていくことでやっと効果が実感できるようなもの。ダイエット商品と同じで、効果が期待できるドリンクを摂取したからといって、翌日にすぐに痩せるといったものではありません。
基礎代謝量のアップは、日々の努力の積み重ねからくるものです。
①豆乳
コンビニで購入が可能な基礎代謝の向上が期待できる女性に支持を受けている飲み物といえば「豆乳」。特に朝食として豆乳を摂取することでに、含有されている良質のタンパク質を燃焼し、その際に体温を上げる効果が期待できます。
タンパク質は燃焼する際に熱になりやすいのです。体温上昇することで血流がよくなり、基礎代謝量の向上が期待できます。
②炭酸水
コンビニで購入が可能な基礎代謝の向上、食欲増進に効果が期待できる飲み物といえば「炭酸水」。炭酸水は胃を刺激し食欲を増進させることができます。
また、炭酸水に含有される炭酸ガスが血行をよくし、基礎代謝量の向上に役立つのです。冷え性にも効果が期待できるので、体温の上昇にもつながります。
③コーヒー
前項でコーヒーにはカフェインが含有されており利尿効果があるので注意が必要と記載しました。これはコーヒーの飲み過ぎては駄目という意味。実はカフェインは悪いことばかりだけでなく、心臓を刺激きし血流をよくする効果が期待できるのです。
また、基礎代謝量の向上という意味では、アイスコーヒーよりもホットコーヒーが推奨されます。
基礎代謝を上げる食べ物8選
下記には基礎代謝量を上げる食べ物をご紹介。それぞれの食材に含有される栄養素を詳しく解説しています。
また栄養素の効果からどのように基礎代謝量が上がる仕組みなのかも解説。食べ物のことを知りながら、基礎代謝量UPの仕組みも感じることができる内容になっています。
毎日の食事の材料に加えて、トレーニングのパフォーマンス向上などに役立ててください。
①生姜
基礎代謝を上げる食べ物として昔から支持されているのが「生姜」。生姜には基礎代謝の向上に役立つ栄養素が2つ含有されています。1つは血液の流れをよくする効果が期待できる「ジンゲロール」。ジンゲロールは末端の冷え性の改善に役立ちます。ジンゲロールが血管を拡張する効果があるからです。
2つ目は熱を作り出す効果が期待できる「ショウガオール」。特に加熱調理された生姜に豊富に含有され、生姜湯など古くから日本人にも支持されています。ショウガオールにも血液の流れをよくする効果があるので、ジンゲロールとダブルの力で血液促進作用が期待できます。
生姜が指示されているのは飲み物だけでなく、料理にもよく利用されるからでしょう。生姜はすりおろしや細切れなど、色々な形で料理に一緒に加えても美味しく摂取できます。
生姜は多彩な利用方法で、血液の流れをよくして、身体を温めて基礎代謝の向上に期待できる食べ物といえるでしょう。
②唐辛子
基礎代謝を上げる食べ物として昔から支持されているのが「唐辛子」。唐辛子には身体を温める効果が期待できる「カプサイシン」という栄養素が含有されています。
カプサイシンの影響で交感神経を刺激、その結果アドレナリンが分泌されて体温が上昇。身体が温まることで血液の流れが促進され、その結果基礎代謝が向上するという仕組みです。
カプサイシンを含むのは、何も唐辛子だけではありません。カイエンペッパーやチリペッパーなどにも含有されています。
③ネギ
「風邪を引いたらネギ!」と聞いたことがありませんか?実はネギには「硫化アリル」という殺菌効果と血液促進効果が期待できる素晴らしい栄養素が含有されています。
ネギは風邪をひいたときに、殺菌効果と身体を温める効果で身体を守ってくれるのです。ネギは身体を温める効果が期待できるので冷え性にもよいとされていますが、基礎代謝の向上にも効果があります。
④たまねぎ
基礎代謝量を上げる食材として血液をサラサラにすることで有名な食材といえば「たまねぎ」。たまねぎにも血液の流れをよくする硫化アリルが含有されています。硫化アリルの他に「ケルセチン」と呼ばれる栄養素も!
ケルセチンは「ケルセチン配糖体」という糖が組み合わさった形になると、脂肪の吸収を抑える効果がわかってきました。ケルセチンは他に抗酸化作用や降圧作用といった効果も期待できます。たまねぎは基礎代謝量を向上させ、ダイエットにも高血圧の方にも推奨されているのです。
⑤にんにく
にんにくの効果といえば疲労回復や滋養強壮効果が有名。にんにくにはアリシンと呼ばれる栄養素が含有されています。アリシンは糖質代謝に欠かせないビタミンB1の吸収を促進し、代謝をよく回すことで疲労回復や滋養強壮効果が期待できます。
そして、アリシンは血液の流れをよくする効果も期待できるのです。血液促進作用で基礎代謝量の向上に役立ち、冷え性にも効果が見込めます。
にんにくの多くは加熱調理されますが、加熱することでアリシンがスコルジニンという栄養素に変化。スコルジニンも血行促進作用があり、新陳代謝をよくする効果が期待できます。にんにくの効果を見ると筋トレ食として支持されているのもうなずけます。
⑥ニラ
基礎代謝量を上げる食材で便秘にも効果が期待できることで有名な食材といえば「ニラ」。スタミナ料理の材料としてよく見かけるニラには、硫化アリルが含有されています。硫化アリルの効果で血液の流れをよくし、基礎代謝量の向上に役立つのです。
ニラの根本には、硫化アリルが豊富に含まれています。料理に使用する際には根元をみじん切りにするなどして加えいることで、効率的に硫化アリルを摂取することができるでしょう。
またニラには食物繊維が豊富に含有されており、便秘で悩むトレーニーの強い味方になってくれます。ニラはどんな料理にも加えやすく、年中どこでも安価に購入できるところが自炊される方に支持されているのです。
また、栄養素としてニラにはカリウム、カルシウム、鉄分、ビタミンA、C、Eも含有されているとこも嬉しいのではないでしょうか。
⑦らっきょう
基礎代謝量を上げる食材で脂肪の吸収を抑制する効果が期待できる食材といえば「らっきょう」。カレーライスの付け合わせで摂取されるらっきょうには「サポニン」と呼ばれる栄養素が含有されています。
サポニンは大豆にも含まれる栄養素で、脂肪の吸収を抑制する効果が期待できるのです。らっきょうには血液の流れをよくする硫化アリルが含有され、基礎代謝量の向上につながります。
また、らっきょうには「フルクタン」と呼ばれる水溶性食物繊維が含有。フルクタンは腸内環境を整えて、コレステロールの吸収を抑制効果が期待できます。フルクタンには他に糖尿病の予防、高血圧予防といった生活習慣病予防にも効果が期待できるのです。
他にはナイアシン、ビタミンC、カリウムなどトレーニングのパフォーマンスに関わる栄養素も含有されています。
⑧アーモンド
基礎代謝量を上げる食材としてアスリートに支持を受けている食材といえば「アーモンド」。アスリートは間食などでよくナッツ類を摂取し、普段の食事では摂りにくい必須脂肪酸などを補給しています。中でもアーモンドにはビタミンEが豊富に含有されているのです。
ビタミンEには強い抗酸化作用で脂肪の酸化を防ぐなどの効果が有名です。また、ビタミンEには血液の流れをよくする効果も期待できます。血液の流れをよくすることは、基礎代謝量の向上に役立つのです。アスリートが普段の食事だけでなく、間食でもアーモンドを取り入れているのは、余計な脂肪をつけたくないというのもあるでしょう。ストイックに健康管理をされている方は、無駄のない栄養補給をしているものです。
アーモンドには豊富にビタミンEが含有されていますが、注意も必要。というのも、ビタミンEは脂溶性ビタミンといって身体の脂肪に溜まってしまう性質があります。つまりアーモンドの過剰摂取によって体調を崩すことがあるということ。もし、アーモンドを摂取するのであれば1日多くても20粒~23粒に留めておきましょう。
基礎代謝を上げるレシピ
下記には上記で紹介した食材を使ったレシピをご紹介。どこでも手に入る食材と調味料を使ってできるものを選んでいます。
ぜひ、参考にしてトレーニングのパフォーマンス向上に役立てて、基礎代謝量UPを目指しましょう!
①長ネギのマリネ
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【材料】一人前
・長ネギ 1本
・大葉 適量
・オリーブオイル 大さじ1/2
『マリネの液』
・オリーブオイル 大さじ1
・ポン酢 大さじ2
・砂糖 小さじ1/4
・塩 小さじ1/8
・レモン汁 大さじ1/3
【レシピ】
①長ネギを洗って土などをしっかり落とし、5cm幅に切る。切った長ネギは味が染み込みやすいように浅く2、3箇所ほど切り込みを入れる。大葉は洗って千切りする。マリネ液をあらかじめ作っておく
②フライパンにオリーブオイルを引き、①の長ネギを加えて中火で炒める
③②に火がとおったら粗熱をとって、①で作ったマリネ液に漬けて味を馴染ませる(約2時間)
④③を皿に盛って、大葉を散らしたら完成
※マリネ液に馴染ませて冷蔵庫で冷やしても美味
基礎代謝のアップはメリットだらけ
最後に、基礎代謝量を上げる食べ物を摂取する際に重要なポイントをおさらいします。
・基礎代謝量が高めることで「太りにくい身体づくり」に役立つ
・基礎代謝量を上げる方法を知る
・日々の食事に基礎代謝量を向上させる効果が期待できるドリンク、食材を取り入れる
基礎代謝量は年齢が上がれば下がっていくもの。基礎代謝量を向上させる以前に、維持させるだけでもトレーニングなどが必要になってきます。
この仕組みを踏まえると若いうちから筋肉を増大させておくことが健康を維持することに役立つのです。筋肉肥大には食事管理が必要。
筋肉は摂取する食べ物次第でトレーニングのパフォーマンスが大きく変わってきます。今回の記事を参考にして、日々の食生活を見直すきっかけにしてください。