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フレンド以上、”フレンド”未満。キスフレって一体なんなのよ

この記事を書いた人
ジョン(仮)

もともとファッションメディアを中心に執筆活動を行っていましたが、予定調和的な記事を書くことに嫌気がさし、DARLに参加させていただく運びとなりました。 趣味は”価値転倒”です。既存のメディアとはまた違った、毒のある記事作成に努めていきたいと考えています。 ”Fair is foul, and foul is fair."


近頃になって頻繁に耳にする「キスフレ」。なんでもその名の通り、付き合ってこそいないものの、キスはする…。それでも一線は超えない微妙な関係のことを指すらしいです。

そんな新しい男女関係の形であるキスフレ。一体キスフレとは何なのか、なぜ「キスフレ」は生まれたのか、疑問は尽きることを知りません。

そこで本記事では、未だに謎多き「キスフレ」について、独自に考察を試みてみようと思います。

ここで一度、「キスフレ」について再考

冒頭でも述べたとおり、「キスフレ」というのは、付き合ってはいないけれど、キスはする。でも肉体関係は持たないという男女の間柄のこと。

皆さんも一度は聞いたことがあるであろう

・「セフレ」(=恋人同士ではないが、肉体関係はある関係)

・「ソフレ」(=恋人同士ではないが、一緒に”寝る”関係)

とはまた違う、オルタナティブ(ここでは、「代案』という意味合いで用いる)な関係がキスフレとのこと。つまりは、「ソフレ」と「セフレ」の中間に位置する”曖昧な男女の仲”に、新たなイメージを与えたものとして考えることができます。

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そもそも「なぜキスフレという概念」が生まれたのか

ここでひとつ疑問に思ったこと。それは「なぜキスフレなる概念が生まれたのか」ということ。

さらに穿ったもの言いが許されるのなら、「果たしてキスは恋人同士の特権なのか」ということです。

究極的には「恋人」なる関係性とは、何をもって成立するのか…という問いにまで到達してしまいますが、ここでは割愛させていただきます。

でもこれだけは言っておきたい。それは、「キスフレ」という概念がここまで話題になるのは、それについての何かしら批判すべきことがあるのではないのかということです。

「キスは恋人同士でするもの」という、理由こそわからないけれど、半ば無意識のうちにそういった倫理観が僕らの中では働いている。一旦立ち止まって考えてみると、なんとも不思議なことです。

もしかしたら「キスフレ」というのは、「キスは恋人同士でするもの」という共通認識がもはや過去のものとなった、そう考えている人が一定数に達したことによって生まれた概念なのかもしれません。

「キス」が持つ力

「果たしてキスは恋人同士の特権か」

まずはこの問いを一旦掘り下げて考えてみましょう。

よく言われる話、恋人同士の関係において浮気はどこからか?そう聞かれたら「キスから」という答えが一番返ってくるように感じますよね。いうまでもなく肉体関係を持ってしまったのならアウト。恋人以外の誰かと2人で外出というのは、グレーゾーンではありますが、理由次第では許されることも多いはずです。

つまり「キス」は、恋人同士の関係に亀裂を生じさせてしまうための”最低限の力”を持つ行為だということが言えます。

既存の恋人関係を壊す最低限の力を持つ行為が「キス」だとするのなら、既存の恋人関係を壊すに”十分な破壊力”を持った行為が「セックス」だと仮定できますね。

そしてこの両者の明確な違いは、「行為本来の目的が”生殖”なのか、”愛情表現”なのか」ということ。

より突き詰めた言い方をするのなら

・セックス:遺伝子を共有すること(肉体的)

・キス:無形の愛情を共有すること(精神的)

だということになります。遺伝子を残して両者の間にある愛情を”可視化”させることが生殖(セックス)であることに対して、キスという行為は、「目に見えない”何か”で相手をつなぎとめる役割を果たすもの」なのです。

目に見えない、生物学的には「なんら意味のない」ものだからこそ、キスは現在に至るまで重要視されている。というのも、人は目に見えない何かに対しては”神秘性”を見出す生き物からなのです。

神秘性を「カジュアル」に共有するキスフレの試み

そう考えてみると、キスフレというのは実に面白い。キスという行為によって成り立つ「神秘的なものの共有」を、いともカジュアルに遂行してしまう存在だからです。

そしてこの「軽さ」こそが、変な言い方ではありますが、キスフレの意義なのかもしれません。

「愛情はあくまで神秘的でなければならない」という昔からの取り決め、極めて恣意的なイメージを、「キスフレ」という、なんとも軽い言葉、あるいは行動によって、「キス」が持つ神秘的な意味合いに「亀裂」を生じさせる試み。

それこそが「キスフレ」という概念の、いわば本質に値するもの。

膠着状態に陥っている恋愛観に対して、揺さぶりをかけること、ある意味ラディカルな「恋愛関係」を生成し、恋人同士の特権と思われている「キス」を、また別の方法で、純粋に楽しんでしまうこと。既存の倫理観の尺度では測れない、「新しさ」を、現在に”産み”落としまうこと

知ってか知らずかそのような挑戦を今行おうとしている集団、それこそが「キスフレ」なのです。

キスフレはアリかナシか

以上を踏まえて、「キスフレ」というものは「アリ」か「ナシ」かについての、一応の結論を出していきます。

先に申し上げると、あくまで個人的な結論、暫定的な結論としては「アリ」

だけれどもこれは条件付きです。当然のことながら「双方の合意」がなければ、キスフレというものは成立しないからです。

というのも、キスフレとしての関係を楽しむのなら、相手もキスフレが打ち出す「新しい恋愛観」に対して、当然寛容でなければならないから。一方通行でキスを求めてしまったら、それはもう刑事事件モノですからね。

もし特定の相手に対して「キスフレにしたい」という感情を抱いたのならば、

「キスって特別な行為だけど、何も恋人同士の特権ではないよね」ということをさりげなく伝え(匂わせ)、相手もそのように思ってくれているのを確認してから、キスフレとしての関係を始めていきましょう。

そのためには、まず本記事の要旨を相手に「理屈っぽく」伝え、相手に気付きを与えさせてあげること、それが近道ではないのかなと、キスフレについての考察を極めて真剣に行ってみた筆者個人の意見です。

あくまで「軽い」愛情表現としてのキス。新しい中途半端な恋愛の在り方

「キスフレ」という概念が生まれたことを端緒に、これからの恋愛の形も、より柔軟になっていくかもしれないですね。

あとがき

よくよく考えてみれば、世界各国、特に欧米ではキスが「挨拶」として機能しているところも多いですよね。その点を踏まえるとキスフレは、「あと一歩で愛情に変化してしまう危うい好意」を、そのスリルを楽しんでいるのかもしれません。

そして最後になりましたが、本記事はあくまで「独自の考察」であり、キスフレを作の作り方など具体的な方法論については述べておりません。

キスフレにおける男女間の心理は、他のウェブサイトに詳しいはずです。だからこそ、本記事の意義が際立つのではないのかなということが、今になって頭をよぎりました。